わたしはいま、「黒と褐色の幻想」というタイトルの本を書き進めています。これは、19世紀のアメリカで生まれたミンストレル・ショーを題材にした本です。
ミンストレル・ショーとは、白人の芸人が顔を黒塗りにし、ステージで黒人の物真似をする大衆芸能です。このミンストレル・ショーは、映画、ヴォードヴィル、タップダンス、
ジャズ、コメディ、ミュージカルなど20世紀の様々な芸能に多大な影響を及ぼしています。この本では、ミンストレル・ショー誕生の背景から、20世紀の芸能への影響をたどりつつ、
独自の視点から個人の身体性やアイデンティティというものを検証してみたいと思っています。「黒と褐色の幻想」は、NHKブックスの一冊として刊行されることになっています。
このコーナーでは、雑誌に書いたミンストレル・ショーに関する原稿を公開する予定です。
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