ティーンエイジ・リタイアメント / チャンプト
Teenage Retirement / Chumped (2014)


 
line
(初出:)

 

 

若さと輝いている時間、喪失、不安、痛み

 

 “bummer punk”を自称するCHUMPEDは、Anika Pyle(vocals, guitar)、Drew Johnson(guitar)、Doug McKeever(bass)、Dan Frelly(drums)の4人で活動するブルックリンのバンド。Pyle、Johnson、Frellyの3人はコロラド出身の幼なじみで、ニューヨークに出てきてから、ニュージャージー出身のMcKeeverに出会った。PyleとMcKeeverは、ともに農産物を扱うフォートグリーンの野外市場で働いていて、彼女がバンドに誘い、一緒に活動することになった。

 筆者が最初に興味をそそられたのは、このデビューアルバムのジャケットだ。『サバービアの憂鬱――アメリカン・ファミリーの光と影』の筆者としては、サバービアの空気をとらえたこういう写真にはどうしても敏感に反応してしまう。

 ちなみに、WONDERING SOUNDのインタビュー“Album Premiere: Chumped, ‘Teenage Retirement’”によれば、写真を撮ったのは、彼らの友人のカメラマン、David Williams、写真のなかでプールに浮いているのは、同じく友人で、グラフィック・デザイナーのCody、場所はクイーンズのハワード・ビーチにあるJohnsonのおばさんの家で、メンバーたちはそこに居候して、ひと夏を過ごしたことがあった。4月に亡くなったそのおばさんは、バンドの最大の理解者だった。プールはそこに35年前からあり、Johnsonの父親とおばさんはその家で育ち、プールにはたくさんの思い出が刻まれているという。

※音楽についてはまた時間があるときに書きます。若さと輝いている時間、喪失、不安、痛みなどをめぐる詞がなかなかいいです。


<
◆Jacket◆
 
◆Track listing◆

01.   December is the Longest Month
02. Hot 97 Summer Jam
03. Coffee
04. Novella Ella Ella Eh
05. Anywhere But Here
06. Name That Thing
07. Songs About Boats
08. Long Division
09. Something About Geography
10. Penny
11. The Pains of Being...
12. Old And Tired

◆Personnel◆

Chumped : Anika Pyle - vocals, guitar; Drew Johnson - guitar; Doug McKeever - bass; Dan Frelly - drums

(Anchorless Records)
 

 

(upload:2014/12/14)
 
 
《関連リンク》
WONDERING SOUND
――“Album Premiere: Chumped, ‘Teenage Retirement’”
サバービアの憂鬱――アメリカン・ファミリーの光と影 ■
サバービアの憂鬱 第24章 現代の郊外では何が起こっているのか
――郊外のティーンをめぐる80年代の事件簿
■

 
 
 
amazaon.co.jpへ●
 
ご意見はこちらへ master@crisscross.jp