オール・イズ・ロスト〜最後の手紙〜:OST / アレックス・イーバート
All Is Lost : Original Soundtrack / Alexander Ebert (2013)


 
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(初出:)

 

 

人生の晩年を迎え、大海原に取り残された男
台詞のないドラマに独特の空間を切り拓く音楽

 

 J・C・チャンダー監督、ロバート・レッドフォード主演の映画『オール・イズ・ロスト〜最後の手紙〜』(13)のオリジナル・サウンドトラックです。

[ストーリー] 人生の晩年を迎えたその男は自家用ヨットを駆りインド洋を航海していた。しかし、突然ヨットが海上の浮遊物に衝突するという事故に見舞われ運命が一変する。始まりは浸水、そして無線の故障、さらに悪天候……自分はいまどこにいるのか? 食糧は、飲料水はもつのか? そして何よりも助けはやってくるのだろうか? 嵐と闘い、飢えや渇きと闘い、孤独と闘う日々。時間の経過とともに生存の望みは薄れ、運命に見放されようとしたとき、男は初めて自分自身の本当の気持ちと向き合う事になる。そして、一番大切な人に向けて読まれるかどうかもわからない手紙に、偽りのない気持ちをつづり始める……。(『オール・イズ・ロスト』プレスより)

 テキストは準備中です。とりあえず簡単な感想を。サントラを手掛けたのは、11人編成のインディ・バンド、Edward Sharpe & The Magnetic Zerosのフロントマン、アレックス・イーバート。この映画は、登場人物がレッドフォード扮する「我らの男(Our Man)」ひとりだけで、台詞もないに等しいため、音楽が非常に重要になります。

 イーバートは、ギター、ヴァイオリン、チェロ、バンジョー、アルト・フルート、ピアノ、ヴォイス、口笛などを駆使して、主人公の内面とも響き合うような、繊細で多様なサウンドスケープを生み出しています。筆者は、冒頭の静謐で深みのあるアンサンブルで一気に引き込まれました。一瞬、ギャヴィン・ブライアーズの『タイタニック号の沈没』が頭をよぎったりもしました。ゴールデン・グローブ賞の作曲賞を受賞したのも頷けます。


◆Jacket◆
 
◆Track listing◆

01.   Excelsior
02. All Is Lost
03. Virginia's Dream
04. The Infinite Bleed
05. The Invisible Man
06. Pulse of the Weight
07. Dance of Lilies
08. The Instincts of Boredom
09. Somewhere in the Midnight of Summer
10. Excelsior and the All Day Man
11. Amen

◆Personnel◆

Alexander Ebert - acoustic guitar, keyboards, vocals, bowls; Katisse Buckingham - alto flute; Evan Price - violin; Seth Ford Young - bass; Mitchell Yoshida - piano; Laura Mihalka - cello; Odessa Jorgensen - violin; Mark Noseworthy - acoustic guitar, banjo, electric guitar; Matt Linesch - bowls

(Community Music)
 



(upload:2014//)
 
 
《関連リンク》
J・C・チャンダー 『オール・イズ・ロスト〜最後の手紙』 レビュー ■

 
 
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