[ストーリー] シャシは、二人の子供と忙しいビジネスマンの夫・サティシュのために尽くす、インドのごく普通の主婦。料理上手な彼女は、お菓子“ラドゥ”を贈答品として販売する程の腕の持ち主。そんな彼女の悩みは、家族の中で自分だけ英語ができないこと。夫には対等に見てもらえず、年頃の娘には学校の三者面談に来るのも恥ずかしがられる始末――。事あるごとに夫や子供たちにからかわれ、傷つき、ぶつけようのない不満を持ち続けていた。
ある日彼女は、姉でNYに暮らすマヌから、姪の結婚式の手伝いを頼まれ、家族より一足先に一人でNYへ行くことに。英語ができないシャシは、カフェでコーヒーすらも頼めず、終いには店内をパニックに陥らせてしまう。打ちひしがれていた彼女の目に飛び込んできたのは、「4週間で英語が話せる」という英会話学校の広告だった。[プレスより]
インド映画界に現れた女性監督ガウリ・シンデーの長編デビュー作です。ヒロインを演じるのは、70年代から90年代にかけて活躍し、15年ぶりの復帰となる大人気女優シュリデヴィ。レビューのテキストは準備中です。とりあえず感想を。
■英語ができればいろいろ役に立つかもしれませんが、インドのなかで英語ができないために、対等に見てもらえなかったり、ばかにされたりするのは植民地主義の遺産といえます。だからこそ、インドではなくニューヨークで英語を勉強することが重要なポイントになります。シャシは英語ができるようになっても、インドに戻るときにはヒンディー語の新聞を選びます。ストーリーにポストコロニアルな視点がしっかり埋め込まれているところが素晴らしいです。
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