魚のいない海 / フィリップ・キュリー イヴ・ミズレー
UNE MER SANS POISSONS / Philippe Cury, Yves Miserey (2008)


2009年/川勝俊雄監訳、林昌宏訳/NTT出版
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(初出:)

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  ◆目次◆

    監訳者まえがき
  はじめに
   
第1章 最初の略奪
  海の味覚
  聖なるニシン
  ニューファンドランド島沖合のタラをめがけて殺到する漁師たち
  「善良なる海の巨人」の殺戮
  タラの激減
第2章 過剰漁業という意識の芽生え
  漠然とした懸念
  最初の科学調査
  壮大な漁業理論の構築
  漁業資源の管理体制
  国連食糧農業機関(FAO)と世界の海洋
  神は細部に宿る
  集団記憶喪失
  警告なしの突然の枯渇
  魚資源を再構築する困難
  種の絶滅という極秘事項
  常に議論の的となる現状認識
第3章 漁業は無差別な狩猟か
  海洋での狩猟
  いわゆる混穫
  漁業の巻き添えとなる被害者
  海底ブルドーザー
  サンゴ礁の破壊
  幽霊漁業
  投棄削減への遠い道のり
  ジョンの選択
第4章 発展する漁業テクノロジー
  軍拡競争
  世界で最も巨大な漁師のいない漁場
  テクノロジーの影響を受けるマグロ
  海底山脈における収奪合戦
  エスカレートする途上国の過剰漁業
第5章 脆い自然と超捕食者
  マグロの乱獲
  故郷に戻るように定められた運命
  いつもの道を通る
  死を招く息継ぎ
  重すぎるハンディキャップ
  裏切られた従順
  不幸をもたらすヒレ
  漁業により魚の性別が変化する
  成長がきわめて遅い魚
  悪い噂
第6章 資源管理という最重要課題
  海の分割
  ヨーロッパの漁業関係者の駆け引き
  フランスに科せられた罰金
  漁業資源を奪い取られる途上国
  つぎはぎだらけの遠洋漁業資源
  外交という漁網にかかった大西洋マグロ類保存国際委員会(ICCAT)
  地中海マグロに対する最後通告
  バトンのないリレー
第7章 過剰漁業の時代に魚を食べる
  魚消費の国際格差
  天然モノに代わる養殖モノ
  魚定規
  投棄魚に対する強い需要
  時代遅れとなった魚料理の存続
  エコラベル確立への険しい道のり
第8章 漁業の中核をなす海洋生態系
  環境の変化に敏感な海洋生物
  ウロコからわかること
  生存率の低い仔魚
  気候変動という巧妙なワナ
  きわめて複雑な生態系
  大が小を飲み込む
  捕食の危機
  微小な卵
  生態系は環境により構成されているのであろうか
  では、生態系は漁業により構成されているのであろうか
  カールとウィリーの発見
  シャチに食われるラッコ
  アザラシが鳥を襲う
  そして次は、ペンギンがオキアミを食べる
  細菌、海洋の新たな支配者
  チェサピーク湾の凋落
  酸素のない海洋
  考慮されていない生態系が生み出すサービス価値
  健全な夢物語
  消えうせた海洋保護区
   
  おわりに―海のゆくえ
  付録―日本の漁業
  訳者あとがき
 
  索引

◆著者プロフィール◆

フィリップ・キュリー
仏外務省開発研究部(IRD)の所長。フランス・セートの地中海および熱帯地域の漁業センター(CRH)の所長も兼任。これまでに、セネガル、コートジボワール、ガーナ、南アフリカ、さらにカリフォルニアにおいても、海洋漁業についての研究活動をおこなってきた。氏の海洋生態系の研究に対し、国内および海外の3つの名誉ある学術賞が授与された(1991年度フィリップモリス科学大賞の生命科学部門、1995年度フランス海洋学部門、2002年度ギルクリスト大賞)。研究テーマは漁業の生態系アプローチ。国際的な学術誌にはq、これまでに100以上の記事が掲載された。

イヴ・ミズレー
パリを拠点とする仏最大の日刊紙『フィガロ』の科学ジャーナリスト。専門は、科学史と環境問題。核廃棄物についての著作がある。若きころ『新フランス論評(NRF)』で詩集を発表したこともある。


 

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