人間はどこまでチンパンジーか? 人類進化の栄光と翳り / ジャレド・ダイアモンド
The Third Chimpanzee / Jared Diamond (1991)


1993年/長谷川真理子・長谷川寿一訳/新曜社
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(初出:)

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◆目次◆
 
プロローグ
     
第1部 単なる大型哺乳類の一種
   
第1章 3種のチンパンジーの物語
  現代の創世記/ヒトと類人猿の系統関係/分子時計――系統を探る新しい手法/DNAからみたヒトの進化/チンパンジーはヒトだった!/ヒトとチンパンジーの微妙な相違/チンパンジーの「人権」問題――医学実験は許されるか?
第2章 大躍進
  突如として出現した人間性/猿人から原人、そしてホモ・サピエンスへ/原人は偉大な狩人だったのか?/ネアンデルタール人の粗末な生活/中石器時代のアフリカ人――大躍進前後/クロマニヨン人の成功と世界の征服/クロマニヨン人とネアンデルタール人の出会いの謎/話し言葉――大躍進の引金/文化的進化のスピード
   
第2部 奇妙なライフサイクルを持った動物
   
第3章 ヒトの性行動の進化
  性の謎を科学する/家族の起源/からだの大きさの性差と社会組織/精巣とペニス――生殖器のつくりとはたらき/隠された排卵と隠れたセックス/過去の要因・現在の要因
第4章 浮気の科学
  米国の赤ん坊の1割は浮気の産物?/婚外のセックス/鳥の浮気/姦通法と父性の確認
第5章 どうやってセックスの相手を見つけるか?
  乱婚から選り好みへ/結婚相手の条件/異性の親――セックス相手のサーチイメージ/「丸ぽちゃ赤毛理論」/サーチイメージは遺伝か学習か?/近親相姦のタブー
第6章 性淘汰と人種の起源
  人種の多様性/肌の色は自然淘汰の産物か?/自然淘汰説の限界/性淘汰と人種の形成/ファッションと好み
第7章 なぜ年をとって死ぬのか?
  長寿と死と閉経/究極的説明と直接的説明/生物学的な修理の機構/最適化――進化的な差し引き勘定/なぜウルトラママが出現しなかったのか?/閉経の進化的意義/不老長寿の幻想
   
第3部 特別の人間らしさ
   
第8章 ヒトの言語への橋渡し
  言語の起源を探る道/ベルベット・モンキーの「ことば」/「うわっ、ヒョウだ!」/ヒトと動物の隔たり/ヒトの言語の特徴/言語のミッシング・リンク/クレオール/混沌から生まれた言語/ピジンからクレオールへ/生得的なクレオール文法/うなり声からシェイクスピアまでの道のり
第9章 芸術の起源
  絵を描くゾウ/芸術とは何か?/小屋を飾る鳥の配偶者選び/芸術の役割/ゆとりと芸術
第10章 農業がもたらした明と暗
  農業革命/農耕や牧畜をするアリ/狩猟採集民のゆとりある暮らし/農業のツケ――栄養失調、飢饉、伝染病/階級差別の出現/人口抑制か食料増産か/農業の福音のゆくえ
第11章 なぜタバコを喫い、酒を飲み、危険な薬物を使うのか?
  薬物濫用のパラドクス/タバコ広告とマッチョの関係/ハンディキャップ理論/カンフーの名人は石油が飲める?/マヤの儀式の摩訶不思議/非生産的信号の進化
第12章 星は幾千あれど我らは独りぼっち
  ETはいずこに/「緑の岸辺」方程式/キツツキの奇跡――収斂進化の可能性/幸運なるかな人類
   
第4部 世界の征服者
   
第13章 最後の初対面
  「大峡谷」の5万人――20世紀の石器時代人/ニューギニア探検史/唯我独尊――不可侵的メンタリティの伝統/消えゆく文化的多様性/それは生存の代償か?
第14章 たまたま征服者になった人々
  文明の発達速度/家畜化成功の条件/野生ムギとブタモロコシ/生物地理の不運と恵み/地理学の復権
第15章 ホース(馬)、ヒッタイト語、そしてヒストリー
  印欧語族はなぜ繁栄したのか?/言語の拡散と置換/PIE語――失われた母言語/ヒッタイト語と線文字B/PIE語の故郷/世界制覇への鍵/PIE人はロシアのステップの民だったのか?/馬が世界を変えた
第16章 「クロ」と「シロ」とで......
  ジェノサイド――誤解から理解へ/タスマニア人撲滅史/ジェノサイドとは何か?/殺害の動機/動物界の殺し合い/近代文明の病理か?/殺人の合理化/第三者への影響/無関心を超えて/ジェノサイドと人類の未来
   
第5部 一夜にしてふいになる進歩
   
第17章 黄金時代の幻想
  黄金時代伝説/マオリ人による種の絶滅/ヘンダーソン島の秘密/エレファントバードの悲劇/大陸における生物学的大虐殺/イースター島の巨大石石像の謎/廃墟と化したプエブロ/中東・地中海文明の環境破壊/過去の環境問題から何を学ぶか
第18章 新世界での電撃作戦と感謝の祈り
  インディアンの感謝祭/クロヴィス人の電撃作戦/「電撃作戦」説の検証/マンモスの射止め方
第19章 第二の雲
  核と環境――人類が直面する二大問題/ひっそりと滅んでいく生物たち/先史時代における絶滅/将来の絶滅の予測/なぜ絶滅の危機が問題なのか
   
エピローグ 何も学ばれることなく、すべては忘れられるのか?
謝辞
訳者あとがき
文献紹介
索引
 
 


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